チタンとは
オートバイ部品のアフターマーケットでは、最新式チタン製の商品が今、最も人気です。純チタンの特性は、基本的にはチタン合金とは異なり、その違いをこれから以下に説明します。
グレード2チタン
純チタンは「グレード2チタン」とも呼ばれ、質量は鉄とアルミニウムの間くらいで、炭素鋼と同様の強さをもち、その強度重量比は鉄の2倍、アルミニウムの6倍にのぼり、非常に硬く、耐久性の高い金属です。耐酸性は鉄より優れ、耐食性はプラチナの次によいと言われています。
チタンは低密度でありながら、その高い強度重量比が認められており、光沢のある銀灰色を呈する強い金属であります。融点は比較的高く(1650℃/3000°F以上)、耐熱金属として利用されています。
常磁性をもち、また、導電率そして熱伝導性がかなり低いため(熱伝導率は銅の4.4%、電器抵抗は鉄の5倍)、オートバイのマフラーや他の軽量性、耐熱性を要する部品などを製造するのに使われています。
グレード5チタン―64Ti(Ti-6AI-4V)
64Ti(Ti-6AI-4V)チタン合金は、チタン90%、アルミニウム6%、バナジウム4%から構成されており、通常「64チタン」または「グレード5チタン」と呼ばれます。比重は4.5~4.8、硬度はHB195以上で、引張応力は686~1176MP、最大1764MPまで達します。断面収縮率は25%、高温環境下でも硬度、耐圧性に変化がなく、平常温度の時よりも強度が増すことが知られています。
64Ti6AI—4Vチタン合金はその高耐久性、剛性、純チタンよりも優れた対衝撃性を持ち合わせ、またその精造が難しいことから、市場での価格は純チタンの3倍近くになります。また残念なことに、原材料供給元が不明な安価なチタン製品を生産している工場が幾つか存在するため、品質があまり良くない商品が出まわっているのが現状です。しかし私どもは、お客様に最高品質の64Ti6AI—4Vチタン合金製品を送り届けるために、ASTM規格の認証をうけた高水準の材料を使っております。
その高い強度と軽量さのため、64チタンボルトはアフターマーケットの中でも最も人気のある商品の一つとなっています。市場に出回っているほとんどの64チタンボルトは、安易な方法であるCNC旋盤加工が施されているため、平常温度下で強度を持ち合わせるにもかかわらず、破損の可能性が大いにあります。
この問題を克服するため、5年前に私どもは64チタンボルトを完全鍛造することに成功しました。 現地のオートバイレースチームに商品を試供し、工程を機微に調整していくことで、私どもの熱間/冷間鍛造技術はより安定的で確実なものにし、引張応力を、CNC旋盤加工(およそグレード7~8)より高い、グレード10.9まで達することが可能になりました。
レース技術のために完全鍛造された
最強度の64チタンボルト
いかなる素材も内部の変形抵抗は独自の特性を持つものであります。CNC旋盤加工の切り方は、レース技術のために完全鍛造されたFFR(Fully Forged for Racing Technique)とは違って、素材の変形抵抗を断ち切るもので、破損の原因になりかねません。一方、FFR技術は素材のありのままの変形抵抗の保持が可能で、疲労強度、剪断強度はCNC旋盤加工のそれより遥かに優れています。
そのユニークな特質や融点、さらにその製造コストの高さから、64チタンボルトを完全鍛造で仕上げることは容易なことではありません。鍛造した64チタンボルトを好調に売り上げている製造会社はこれまでほとんど存在していないほどです。多くは主となる軸部を鍛造し、ソケットの部分はCNC旋盤加工を施すという安易な方法がとられており、これらは「半鍛造」と呼ばれ、その強度は許容範囲であるものの、完全鍛造したものとは比べものになりません。
我が社の64チタンボルトは全てが完全鍛造されており、素材の変形抵抗は損なわれることなく、一定に保たれています。
その美しい銀灰色に顕われるように、全工程で最良の技術が適用されていることを、お客様にお約束いたします。
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